FC2ブログ

能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

蜘盗人 井上菊次郎(国立能楽堂開場記念公演)

和泉流 国立能楽堂 2008.9.13
 シテ 井上菊次郎
  アド 佐藤友彦

いわゆる盗人物の類ということになりましょうか。目的の家に忍び込むあたりは子盗人と共通する点も多いのですが、この曲、蜘蛛の巣にかかるという、まあ他には見られない珍しい展開があり興味深いところ。
しかも今回は狂言共同社の井上さんと佐藤さんの上演ですが、和泉流の通常の形とは構成が大きく違っています。

手元の和泉流の資料にある形(以下、資料と略します)では、まずアドの主人が登場し、連歌初心講の頭に当たったので人寄せの準備をしている旨を述べて着座します。主が小アド太郎冠者を呼び出すと、太郎冠者が客人の到着を告げ、準備ができていることを確認し二人が下がってシテの出になるという流れです。
しかしこの日は、シテの盗人とアドの主人二人しか登場しませんし、しかもシテの盗人がいきなり登場してきます。様々に違いがありますが、そのあたりは追々に。

まず舞台へは引廻しをかけた作り物が出され、ワキ座前あたりにやや目付柱の方を向けて据えられます。狂言でこういう作り物が出されてくるのは珍しい形ですね。後ろの席の奥様達が「次は能なのかしら」「狂言のはずよ」などと話しているのが耳に入ってきます。確かに作り物が出ると知らなければ混乱しますね。

さて、なにはともあれシテの男が登場してきます。男は連歌の初心講の頭に当たったのだけれども、手元が寂しくて頭が勤められないので、有徳人の友彦殿の家に忍び込んで案内無しに何か借りてこようと思う旨を述べて、有徳人の家に向かいます。
資料ではアド、小アドが退場した後、シテが登場して、子供の頃からの連歌好きにもかかわらず、勝手不如意のため連歌の会に出ることもかなわずにいる。今晩、ここに連歌の会があるようなので立ち聞きしようと庭に忍び込むことにしたと語ります。
今回の上演のように、初心講の頭に当たったので盗みに入るという設定は、大藏流と同様のようですが、名古屋の和泉流に古くからある形なのかどうか、興味あるところです。
さてこのつづきはまた明日に
*** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** ***
このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
関連記事
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://zagzag.blog72.fc2.com/tb.php/919-b7674ff9

 | HOME | 

カレンダー

« | 2020-07 | »
S M T W T F S
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

月ごとに

カテゴリー

カウンター


最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

プロフィールなど

ZAGZAG

頑張らない、をモットーに淡々と行こうと思っています。