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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

蜘盗人さらにつづき

男の言葉に感心した主は、連歌の付け合いをして見事付けたならば許そうと言って「蜘蛛の巣にかかるやさしき盗人を」と詠み掛けます。これに男は「きるもきられぬささがにの糸」と付け感心した主が男を許します。資料では「やさしき忍び妻」となっており、男の返しも「きるにきられぬ」とありますが、微妙に違います。

主人は連歌のおもしろさに、命を助けるので蜘蛛の巣を出るようにと男に言いますが、シテは巣にまとわれて動けないので助けてくれと頼み、アドが太刀で蜘蛛の巣を切り払います。太郎冠者が出ていれば箒ではらって助けるところです。

助けられたシテがそっと巣を出てそのまま立ち去ろうとすると、アドが「菊次郎殿」と呼びかけます。かねてからの顔見知りに気付いたという設定ですが、資料の形ではたまたまやって来た男ですので顔見知りではありません。アドはシテを引き留め酒盛りになります。
肴に一つ謡おうとアドが酒をつぎながら謡い、シテが小歌節のようなものを謡い、さらにアドが謡ってから、小袖を肴におますぞと小袖を持ち出してきてシテに渡します。資料でも小袖を渡す形になっていますが、着古しの小袖だが夜寒をしのぐようにと主人が贈ります。この日の上演では、着古しの小袖だがこれを使って初心講の頭を勤めるようにとアドが勧める形になっていて、シテもいったんは遠慮するもののありがたく小袖を受け取りました。

シテはさらに受け取った小袖を腕に掛け、狂言千鳥の謡「浜千鳥の友呼ぶ声は、チリチリやチリチリ・・・」と謡い舞います。最初のアドの謡も、謡曲松虫の「いつまでも変わらぬ友こそ買ひ得たる市の宝なれ」だったと思うのですが、やけに「友」が出てきまして、これがその後の伏線になっています。
資料の形では主人が男にまた来るようにと言うだけですが、この日は帰ろうとするシテを呼び止めたアドが、自分には連歌の友がない、友としてまた来るようにと求める形になっています。この展開はなかなかしゃれていますね。

このあと、もう一日だけつづけます。
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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