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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

小督・・・さらにつづき

駒の段は仕舞でも良く演じられますし、謡としても平家物語に沿った味わい深いもの。
能では写実的な演技を避けようとする傾向が強いので、流儀によって差はあるものの、謡に合わせた所作はあまりしません。駒の段は、拝領の馬に乗って嵯峨野を探し回る訳で、謡にも「駒を駈け寄せて」とありますが、手に持った鞭で馬に乗ったことを示すだけです。



やがて琴の音が聞こえてきたので、もしやと思って聴いていると曲は想夫恋。「夫を想いて恋ふる名の想夫恋なるぞ嬉しき」と謡われます。シテは抑えた演技で「嬉しき」で、すっと面を上げ二足下がりましたが、ようやく見つけた喜びと安堵が二足に込められていた感じです。



ようやく尋ねあてた小督の住まい、お目にかかりたいと申し述べますが簡単には入れてもらえません。ツレ、トモやりとりの上で「さらば此方へ御入り候へ」と声がかかります。
シテは後見座で肩上げをおろし、その間に片折戸、柴垣が片づけられます。



シテ仲国が院からの文を渡し、これから長い問答、クリ・サシ・クセと動きのない場面が続くわけですが、ここがまた見せ所。
地頭の銕之丞さん、かなり力が入ってまして、ワキ正から見ていると迫力あります。



小督の返事も受け取り、シテ仲国は帰ることになりますが、ここで酒宴となって男舞が舞われます。男舞は安宅や小袖曽我など、武人が酒宴になった席で舞う形が多いのですが、仲国は文官ですし、武人の舞とは違った雰囲気を出すことが必要なんだろうと思います。そうした意味でも風情のある男舞でした。通常は三段に略すところ、五段に割合ゆったりと風格高く舞った感じです。



舞終えて「駒にゆらりとうち乗り」、確かに馬に乗った風情。
橋掛りでの留めですが、拍子は踏みません。銕仙会らしく、シテ・ツレ・トモが幕に消えても拍手なし。囃子方が立ってようやく拍手がでましたが、ああ、これなら余韻がありますね。

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