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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

鱸包丁 石田幸雄(銕仙会定期公演)

和泉流 宝生能楽堂 2006.6.9
 シテ 石田幸雄、アド 高野和憲



鱸包丁というのは初見ですが、正直のところこれはちょっと難しい。
いえ、何分狂言ですから話そのものが複雑という訳ではないのですが、説明を受けないと言葉が分からないところが少々ありまして、なかなか笑うところまでいきません。



話は簡単で、宴席で使うために鯉を求めてくるように頼まれた甥が、手に入れることもせずに「獺が鯉を半身喰ってしまった」と嘘を言う。これを見破った伯父が、鱸をご馳走すると言って、逆に料理の話だけで甥を懲らしめるというストーリー。
鱸料理の仕方話の部分はまさに見せ場で、この上手さに感心はするものの、なんとなく腑に落ちず、後で調べてみたのですが、要は最後に「鱸は法定(ホウジョウ、北条・放生などとも)が食べてしまった」というオチが理解できなかったということに気付きました。



ホウジョウは嘘の意味だそうで、獺(かわうそ、ウソあるいはオソ)が鯉を食べてしまったという嘘に対して、包丁にホウジョウをかけて、その嘘(ホウジョウ)が鱸を食ったという二重三重の謎掛けになっている訳で、ここが分からないから腑に落ちなかったということでした。



萬斎さんのシテの予定だったのが、石田幸雄さんに変更になったのですが、石田さんの芸はまた味わい深くて、私としては好きな狂言師です。
この鱸料理の仕方話も見事でした。



そうそう鱸の打ち身の話が出てきますが、打ち身は室町の中期頃まで刺身と並んで行われていた料理法で、刺身よりも分厚く切るなど料理法に違いがあったようですが、この狂言の中で伯父が解説するとおり、鯛と鯉だけに限られた料理法だったために、室町後期には刺身と混同されて、無くなってしまったとか。
そういう意味でも、古い時代の狂言なんでしょうね・・・

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