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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

松虫のつづき

シテ、ツレにワキが呼び掛けて、シテとワキの掛け合いになります。

ワキは夜更けまで酒宴をしようと誘い、シテは「仰までもなし何とてかこの酒友をば見捨つべき」と応じます。
さらに地謡が、秋の夜に酒を酌み交わして帰ることを忘れると謡い、シテは大小前から目付へと進み、舞台を一巡りして常座に立ってワキに向かいます。この間にツレは目付から下がって大小前を通り、地謡前に着座して控えます。

この地謡の謡に「松虫の音も盡きじ」と「友こそは買ひ得たる市の宝なれ」とあり、ワキは、詞の末の「松虫の音に友を偲ぶ」とはどういう謂われかと尋ねます。詞としては、上歌の最後のこの部分よりも、次第の謡にそのままの詞章がありますが、ここは話の展開上、今の詞の末としたのでしょう。

この詞が古今集仮名序に依ることは昨日書きましたが、考えてみれば仮名序の内容にはいささか頭をひねるものが少なくありません。そのため解説書やそれにちなんだ説話のようなものも多々作られたようで、この曲もそうした物をもとにして作られたのでしょう。
「高砂」の話も書きましたが、「志賀」も仮名序に「おほとものくろぬしはそのさまいやし。いはばたきぎおへる山人の花のかげにやすめるがごとし」をそのままに能に写し入れていますね。

さてワキに促されたシテは常座から大小前に進み二足ほど出て下居、松虫と友に関わる話を始めます。
昔、この阿倍野の松原を二人連れが通ったときに、松虫の音が面白聞こえたために、一人がその音を慕って野に分け入ったまま待てども帰らないために、もう一人が尋ね行ってみると、友は既に草露に伏して亡くなっていた。泣き悲しんでもいかんともしがたく、そのまま土中に埋めたが、今も松虫の音にその友が偲ばれると、シテの語りから地謡へと物語が続きます。

「音に友をしのぶ名の」とワキを向いたシテは「世にもれけるぞ悲しき」とシオリ。さらに続く地謡の中で、男はその亡き友を偲ぶ者の亡霊であると明かされ、「恥ずかしやこれまでなり」ですっと立ち上がります。「立ちすがりたる市人の」とそのまま幕の方に進み出し、橋掛りへと入ります。
このつづきはまた明日に
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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