FC2ブログ

能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

龍田のつづき

昨日はちょっと体調を崩しまして、更新をお休みしました。

さて一昨日のつづきで、幕から呼び掛けで登場した前シテは、ワキが川を渡ろうとするのを止め問答になります。ここは上掛りと下掛りでいささか詞章が違っている部分。
概して下掛りの方が細かなやりとりになっていて、シテの呼び掛けに対するワキの言葉も、上掛りと同じ「不思議やな此川を」の後に「な渡りそと呼ばわる方を見れば 向に女の候が申し候」と説明のような詞章が入り、シテがワキに暫く休むようにと言い、ワキは六十余州に御経を納める聖だがこの川を渡って龍田明神へ参るところと答えるやりとりに続きます。

二ノ松まで出たシテとのやりとりから、ワキは「竜田川紅葉乱れて流るめり 渡らば錦中や絶えなん」という古歌を思い起こします。この歌、古今和歌集の巻五、秋下に題しらず、よみ人しらずとして収録されていますが、この曲では後に出てくるように帝の歌としているようです。いずれにしても紅葉流れる川面の美しさが伝わってくるような歌ですね。

シテはこのワキの言葉のうちに橋掛りを進み、舞台に入り常座へ出つつ紅葉が当社のご神体であると述べますが、ワキはこれに対して、既に季節は紅葉の時を過ぎ川面には薄氷で波も見えぬのだから、渡っても差し支えなかろうと主張します。しかしシテは藤原家隆の歌「竜田川紅葉を閉づる薄氷 渡らばそれも中や絶えなん」を引いて、川を渡るのは神慮に背くと重ねてワキを止めます。

地謡が続けて「氷にも中絶ゆる名の竜田川」と謡い出し、この謡のうちにシテは常座から目付へ出、ワキを向いてツメる形。さらに笛座の方を向いて舞台を右へ回り、常座に戻ってワキを向きます。
シテは自ら龍田明神の巫であると名乗り、明神に参るならば道案内をしようと言います。ワキがお供する旨を述べ、シテが「こなたへ御入り候へ」と言って、ワキ、シテの二人は作り物の宮の方を見る形になります。ここは特に舞台を廻るような所作もなく、二人が振り向いたらいきなり明神の境内になってしまったような展開です。

ワキは、霜月十一月というのに今を盛りの紅葉を見つけ、これは神木かとシテに問い掛けます。
さてこのつづきはまた明日に
*** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** ***
このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
関連記事
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://zagzag.blog72.fc2.com/tb.php/992-f54e5e6b

 | HOME | 

カレンダー

« | 2020-08 | »
S M T W T F S
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

月ごとに

カテゴリー

カウンター


最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

プロフィールなど

ZAGZAG

頑張らない、をモットーに淡々と行こうと思っています。