能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

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烏帽子折のつづき

ワキは子方が師匠のもとを勝手に出てきてしまったのではないかとみて、子方の供をしたいという申し出を断りますが、子方は白大口に紫の長絹で幕を出ると橋掛りを進んで常座に立ち、師匠の勘当を蒙ったのでぜひ連れて行って欲しいと言います。
ワキ吉次は、この上は是非もないと子方に寄って笠を渡し、子方は「牛若この笠おっ取って」と笠を受け取って正面を向き、地謡の下歌で笠を被ります。

ワキ、ワキツレはワキ座へと移り、続く上歌で粟津、勢田と一行が道を進む様が謡われると子方も正中から角へと移り、さらにワキ、ワキツレとともに進む形で「鏡の宿に着きにけり」と鏡板に向かい、子方は後見座にクツロギます。

するとアイ早打の凜太郎さんが、括り袴に肩衣を右だけ外し「忙しや 忙しや」と杖を突いて登場してきます。角まで出ると、牛若が三条吉次に同行して奥へ下ったとの知らせを六波羅が受けて急ぎ討ち取るようにとの命を受けたと言います。さらに回りに語らった様子で、吉次が大勢を連れているのであれば自分も人数を語らって来ようと言い、周囲にか「構えて引くではない」と言い残して退場します。

早打が退場すると子方が立ち上がり、早打の声をよくよく聞けば自分のことを言っていた。これは急いで髪を切り、烏帽子を着けて東男に身をやつして奥へ下ろうと言って橋掛りに入ります。
烏帽子屋にやって来た態で一ノ松から幕に向かって案内を乞うと、シテ烏帽子屋の雄人さんが素袍上下で登場してきます。夜中のことでもあり明日ではどうか、と言うシテに、急の旅なので今夜烏帽子を折って欲しいと子方が重ねて頼みます。
シテは子方を烏帽子屋の内に誘い、子方が先に立って舞台に入って地謡座あたりに。シテは正中で子方と向き合い、さて烏帽子は何番に折りましょうかと尋ねます。

このやり取りは有名なところで、烏帽子屋の問いに答えて牛若は「三番の左折」に折って欲しいと答えます。左折は源氏の形で、世を席巻する平家は右折。この平家一統の世に左折など思いもよらぬ、とシテが返しますが、子方は思う子細があってどうしても左折に折って欲しいと言います。
これを受けて、シテは左折に折ることにし、さらに左折の烏帽子について目出度い話があるので語って聞かせようと言って話し始めます。
このつづきはまた明日に
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烏帽子折 友枝雄人(洩花之能)

喜多流 十四世喜多六平太記念能楽堂 2016.07.18
 シテ 友枝雄人
  ツレ 佐々木多門、子方 友枝大風
  立衆 大島輝久 狩野祐一 谷友矩 佐藤寛泰 塩津圭介
  ワキ 殿田謙吉、ワキツレ 大日向寛
  アイ 山本凜太郎 若松隆 山本則重 山本則秀 山本則俊
   大鼓 柿原光博、小鼓 森澤勇司
   太鼓 林雄一郎、笛 藤田貴寛

第一回洩花之能公演の最後は烏帽子折。番組ではこの直前に友枝昭世さんの仕舞、邯鄲があり、これまた素晴らしかったのですが、ともかくも烏帽子折の方へ。
この曲、学生時代に素謡で習ったことはあるのですが、演能を観たのは初めてです。なかなか上演されない一曲で、ご覧の通り出演者が多いことはもちろんですが、子方が難しいというのが第一のように思います。

この曲、金売吉次とともに奥州に下る牛若丸が、途中近江国鏡の宿の烏帽子屋で元服し、赤坂の宿で宿を取り囲んだ悪党熊坂長範を倒すという話です。シテは前場では烏帽子屋として、後場では熊坂長範として、子方と絡みますが、ストーリーの中心は子方牛若丸に置かれているという、ある意味、子方のための能といった風情です。しかも子方はこの曲中で元服し、牛若から義経となるわけで、子方自身の元服的な意味合いもありそうです。
子方の大風さんは真也さんのご長男ということで、既に直面でシテも演じておられるそうですから、まさにこの曲が子方の卒業になったという訳です。

さて舞台には、次第の囃子でワキ三条の吉次信高役の殿田さんと、ワキツレ弟吉六役の大日向さんが登場してきます。ワキは白大口に掛素袍、男笠を被り、ワキツレは素袍上下姿。舞台中央で向き合っての謡です。
ワキは三条の吉次信高と名乗り、東へ下るところと言って、ワキツレに荷を集め東へ下ろうと声をかけます。ワキツレが心得たと答え、二人が立ち上がってワキ座方へ向かうと、子方の呼掛。奥州へ下るなら供をしたいと声をかけます。
この声に二人は振り向きますが、さてこのつづきはまた明日に
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40万ヒット

うっかりしていたのですが、いつの間にかヒット数が40万を超えていました。
遡ってみると、1月6日に40万を超えた様子です。

2006年の3月から始めて間もなく11年になろうとしていますが、飽きっぽい私が、よくぞこんなに続けてきたものと、しみじみ思っています。
内容としては素人の鑑賞記ですから、勘違い、間違いなども少なからずあって、気付く度に直しているのですが、そのままになっているものも多々ありそうです。
そのあたりはご容赦いただいて、またご覧になっていただければと思います。

更新もボチボチではありますが、できる限り続けていこうと思っています。
先日、宝生流の高橋憲正さんの高砂に大変感銘を受けたと書きましたが、自分自身、楽しんで観られるのが一番と、あらためて思いました。そうした思いを少しでも、書き記して行ければと思っています。
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